豆売りをしていると、お客さんから
「美味しい豆ちょうだい」
「一番飲みやすいやつください」
とリクエストがあります。
誠に申し訳ないですが、実はこのリクエスト。困惑します。
これではお医者さんに「とにかくしんどいので、僕の病気は何か教えて」と聞いているような感じです。
正直、これで病名を当てるお医者さんはいないでしょう。
本当に同じで「美味しい豆をちょうだい」、「一番飲みやすいやつください」とだけではアプローチのしようがないのです。文句を言っているわけではありません。
お店では切り返して「では、まろやかなタイプ、あっさり、コクの感じではどれが好きですか?」と聞きます。
それと、ドリップバッグを選ぶ方にはもともとが試す意味合いの商品なので、「全種類飲んでからお好みを見つけてください」とオススメさせて頂いています。
コーヒー豆を販売させて頂く以上、いつも「お客さんにとって美味しい」、「お客さんにとって一番飲みやすい」を提供したいと考えながら接客しています。
なので、こちらもアプローチしやすいように話を頂けると僕にとっても、お客さんにとっても良い豆が提供できるようになります。
例えば全く初めての方でしたら、人気の順から3種類くらい選ぶのをオススメします。
初級「甘い感じ」「酸味苦手」「コクがあるもの」と表現すると良いです。
そして、もう一段階アプローチしやすくなるのは当店の豆を購入していただいたら、「前回買ったブラジルよりもコク深い」
「グアテマラ・ステイゴールドみたいに酸味のもの」と具体的な話を頂けると、より最適な豆を提供できます。
そして、自身の定番が見つかったら、時に品評会入賞豆や限定豆に手を伸ばして頂いて、新しいコーヒーの価値観を深めて頂くと僕もコーヒー屋冥利につきます。
より良いコーヒーライフのために、少し意識にとどめて頂けると幸いです。