「焙煎士になるには」の締め括りです。
今日は師匠に入る、セミナー受講について僕の感じたことについて書きます。
僕自身は独学なのですべてのことはわかりませんが、師匠に入る、系列店に入るメリットはもちろんあります。
まず始めに断っておきますが、そこのお店の味に惚れて師匠に弟子入りしたい。
そう思った方にお伝えしておきます。有名店・人気店の師匠方も独学の方ばかりです。
師匠に付くことによって焙煎技術は速く習得できる可能性はあります。
0から始めるよりは焙煎機の各部位の機能、操作方法、特徴は掴める速さは違います。
ですが、焙煎はそんなに単純な物ではありません。やはり個人の感覚で煎りあげていく部分があるので、そこは言葉では教えられません。
僕のところにもうれしいことに「焙煎を勉強させてください」と声を掛けてくれた人がいました。
断りはしましたが、結局は焙煎機のうんぬんは語れても、先日ブログでも書いた焙煎機のメーカーが言ったように「正解はありませんからどんどん焙煎してみてください。」というしかありません。
どうやったって近道はないのです。
ですが、師匠・系列店に入る1番のメリットだと感じるのは豆の仕入れについてです。系列店に入ることによって大量の仕入れでコストダウンが出来きます。そして、自分達で豆を買い付けるため安定した供給が出来るということです。
僕が独学を目指したのもここにあります。
系列店では同じ銘柄を大量に扱ってコストダウンを図ります。そこが僕の考えには馴染みませんでした。
少々の金額は払っても、いろいろな豆を自由に扱ってみたいという好奇心の方が先に来ました。
ですが、上記したように系列店は安定供給出来るのですが、一匹狼でスペシャルティ専門でやっていくには安定供給が出来ない(スタンダードは関係がない)のです。
というのも一匹狼でお店を運営すると、豆の仕入れはおのずと各商社、中卸業者からの仕入れになります。
そして商社が「今年のロットは出来が良くない」「外国の商社に競り負けた」などの理由でその銘柄が入荷できなくなるのです。
これはお店を始める前から分かっていたことだったので、今扱っている銘柄がいつ無くなっても良いように常にいろいろな銘柄を取り寄せテースティングを行なっています。
実際当店で扱っている豆もいくつも銘柄を変えてきました。ブラジルは今まで4銘柄変わりました。ブラジルはブレンドでもストレートでも大活躍の豆なので絶対に切らすことは出来ません。
ですからブラジルは現在約50種類の銘柄をテースティングし、データがあります。
そして最後に焙煎セミナーを受講するという方法ですが、この方法はどういう捉え方をしてよいか分かりません。
先ほど書いたように焙煎技術は時間が掛かります。セミナーはだいたいの場合1日、2日で行なわれます。
それを1日、2日で何を教えられるのでしょうか?
また金額も数万円〜十数万円と負担も大きいです。
ただよい方向で考えた場合、ある程度焙煎機の特徴を知って、経験があるのなら有効的に利用することができるかもしれません。
長々と書いてきましたが焙煎士を目指すという道はこんな感じです。
僕自身まだまだ修行の身なので、いろいろな方から学び、刺激を受けて日々精進していきたいと思っています。