ファミマのコーヒーが変わったと聞き、早速飲んでみたいと思いファミマにGO。
CMに稲垣吾郎さんを起用するという、力の入れ様に意気込みを感じます。
変わったというブレンドコーヒーとモカ・イルガチェフのブレンドがあったので2つを注文。
カップを取り、マシン脇の稲垣さんのPR内容を見てみると「甘味焙煎」の豆を使っているそうです。
コーヒーに携わる者なら、当たり前に知っている事ですが焙煎され抽出されたコーヒーに「甘味」成分はありません。
でも、甘味を感じる。そして、僕たち業界の人間も「甘味」と表現しています。
これは未だに科学的な実証されておらず、いくつかの説があります。
その1つは焙煎過程で180℃くらいからカラメル化が始まるのですが、そのカラメル香に起因するものと言われています。
例えばクッキーやケーキを焼いていると漂ってくる香りだけで、食べていなくても甘さを感じますよね!?
コーヒーにも香りの成分に甘味の香りがあって、それで甘く感じるものだと思います。
飲んでみて、これはプロとしての批判的なものではなくコーヒー好きとしての意見としては「何が?甘味焙煎?」です。
あまり、上手く甘味の表現がなされていません。
ここからはプロとしての技術論。テースティングして1番最初に入ってくる味の情報はブラジル・サントス(スタンダードランク)の深煎り、しかも、比較的に長時間焙煎されたものを甘味の素として配合していて、あとは深煎りの苦みが出ないよう中煎り程度の他の豆を混ぜたブレンドといった感じです。
サントスの深煎りはチョコフレーバーがあり、その香りの情報量が多いです。そこを甘味として使っているのでしょう。
ただ、もっと甘味を感じられる焙煎の施し方があります。
それでもあの価格であのクオリティに文句のある人はいないと思います。
そして、イルガチェフブレンド。何といってもスペシャルティ。
イルガチェフのワインやダージリン香が良いです。
ただ、個人的な意見としてはイルガチェフを使うのであればブレンドではなく、シングルで提供してほしいです。
せっかくのモカ香がもったいないです。スペシャルティなので、通常のブレンドコーヒーよりも40円高かったと思いますが、そうであればあと数十円乗せてシングルで出してほしいです。
その方がより、スペシャルティコーヒーの良さが伝わると思うのです。
それも、大手の緻密なマーケティング結果から、今の価格とクオリティを打ち出しているのでしょうね。
缶コーヒーもそうですが、大手の手掛けるコーヒーはとても付加価値を付ける上手さがあるので、いつも楽しみにしています。
甘味焙煎。ぜひ、お試しあれ。