そのニュースを聞いたとき、カープファンなら「ついにこの時が来たか」と思ったのではないでしょうか?
そう孤高の天才打者前田智徳選手の引退です。
もう野球ファンなら説明不要の全国的な知名度の大打者です。
なぜ前田選手が「孤高の天才」と皆から評されるか、それは何も笑顔を1つ見せない無愛想なキャラクターだけといったものではなく、前田選手の持つバッティングへの姿勢が所以であるのです。
相手選手のウイニングショット以外はバットを振らなかったり、名の通った新人選手と初顔合わせの時はインハイの真っ直ぐを待って強振したり、ヒットを打っても首を傾げながら走っていたり・・・。
イチロー選手が200本安打を記録したときは「いくら200安打と言っても、その中に内野安打が何十本と含まれているんでしょう。僕が内野安打を打たされようものなら、この世が終わったかと思うほどショックです」著『最強のプロ野球論』一部抜粋。
これはイチロー選手を否定しているものではなく、前田選手の持つバッティングに対する理想なのです。まあ、その200本安打のイチロー選手や落合博満氏が認める天才ですから。
ただ、右アキレス腱断裂以降の前田選手の苦悩は「前田智徳という打者はもう死にました」と本人が口にしているように相当なものだったと思います。
それ以降左足アキレス腱も故障、回復せず。
それからはカープファンは「前田はいつ辞めるだろう?」毎シーズンの終わりごろには話題となっていました。
そして、今シーズン初め頃デッドボールによる左手首骨折。これが引退の決定打となりました。
皮肉なのもでケガにずっと悩んだ前田選手の引退がデッドボールによる骨折で引退とは・・・。
ずっと前田選手を見てきたファンとして、あの芸術的なバッティングが見られなくなるのかと思うと寂しいものです。
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