昨日5月10日で当店は15年目を迎えることが出来ました。
本当に地道にやってきて、ここまでこられたということを実感します。
また、支えられてやってきたと思います。
オープン当時、お客さんが全くおらず、来ても数件といった感じでした。
自分なりにしっかりとお店のコンセプト「高品質な豆を新鮮かつ安価で提供する」「スペシャルティコーヒーを普及させて、新居浜のコーヒー文化を高めたい」を打ち立てて始めました。
ただ、それもお客さんが全く来ないので「このままではいけない」と思いが頭をもたげてきて、コンセプトなんかブレて「低品質の豆を安くみせかけて売ろう」とか「とにかく豆を廃棄せず、古い豆を売ろう」とふとよぎる自分がいました。
さらに、その当時はお客さんからネガティブな言葉を投げ掛けられることが多く「ランチもモーニングも無いお店」「趣味でやってる」「新居浜で専門店は流行らない」と言われていました。この3つはしょっちゅう言われました。
当時はただでさえ不安な状態なのに追い討ちをかけるようなネガティブな言葉は僕の心を掻きむしり、不安を増長させ、悪い思考へと導かれていきそうになりました。
ただ、本当にありがたいのはオープン当時からの常連さんで、今は東京に移り住んでいるのに、現在も当店の豆を利用してくれているMさんの存在が、僕の気持ちを強くさせ、迷いを取り払うきっかけとなってくれました。
Mさんはいつもポジティブで、人懐っこくて優しい。そして、何よりも笑顔の量がとても多い人。すぐに仲良くなり色々なことを話すようになり、自分の不安を吐露すると「拓ちゃんの焼く豆は美味しいよ」「こういうお店好きだな」と励ましてくれました。
僕も元々はポジティブシンキングの人間。「こういう人がいるなら、この人だけでも良いから喜んでもらいたい」「見てくれている人はいるんだ」と頑張るモチベーションへと変えてくれました。
間違いなく当時の僕には今ほど豆を焼く技術もないし、接客をさせても青二才。
お客さんからしたら、お金を払う以上批判もしたくなるのも当然。
ただ、やっぱりネガティブな言葉は人を掻き乱し負の方向へ曲げていき、ポジティブな言葉は人を優しく包み、弱気な心を後押しすることが分かりました。
ポジティブな言葉に助けられたからこそ、頑張ってもがいている人がいるのなら、そこにポジティブな言葉を掛けられる自分でありたいと思います。
心ある人の支えなくしてここまでは来られなかった。
15年目も精進してまいります。