サードウェーブコーヒーに代表される「酸味を活かした」焙煎に嫌気がさします。
カップ・オブ・エクセレンスのような品評会では、酸質の良いコーヒーが評価されるのは事実です。
それに伴ってか否か、焙煎は浅煎りの豆ばかりに流れが行っています。
ただし、浅煎りの酸味はビネガー(酢)のような刺す酸っぱさで、深く煎っても綺麗に残るフルーツのようなフレッシュな酸味もあり別物、コーヒーの美味しい酸味は後者です。
僕のコーヒー豆に対する焙煎のアプローチは「豆の個性を引き出す」ということを考えているため、焙煎にトレンドがあることが不思議でなりません。
これは、あくまで僕の考えなので正解ではありません。
ただ、サードウェーブコーヒーで流行っているお店のコーヒー豆をお客さんから頂いたりして、飲ませてもらうと「酸っぱい」ばかりのものが多いのは事実です。
今回北海道に旅行に行かれたお客さんから、スペシャルティコーヒーの専門店「きゃろっと」さんの豆を頂きました。
当店でも扱っているブラジル・モンテアレグレ農園ハチドリ。
豆の香りを嗅いでみると、当店のハイ〜シティの間で煎りあげているものより、一段階浅くハイローストで煎りあげられていました。
少し偏った見方をしてしまい、「サードウェーブ系のお店の焙煎で浅煎りの酸っぱさかな」なんて思いつつ、飲んでみました。
口に含んで「あっ美味しい!絶妙なバランスで煎りあげられている」と感動してしまいました。
僕のブラジル・モンテアレグレ農園ハチドリの煎りあげはナッティさを強く出して、コク深く、酸味はほんのり残す程度。
きゃろっとさんは酸味もしっかり残しつつ、ナッティさもほんのり引き出していて、クリアな口当たり。
水分抜きも綺麗に出来ているし、何といっても煎りあげるタイミングが良くて、バランスが取れて香味が表現出来ています。
数秒煎りあげが早いと間違いなく「酸っぱいだけ」が目立つコーヒーになります。
しっかりした焙煎の技術があれば、酸味も活かせて香味もしっかり表現出来るということを改めて感じました。
本当に勉強になりました。
Aさんお土産頂き、ありがとうこざいました。