「アンパンマン」の生みの親である、やなせたかしさんが亡くなられました。
アンパンマンは僕が小学3年生の頃からテレビでアニメ放送が始まり、以来現在まで25年という長い間、子供達がずっと見てきた正義のヒーローです。
なんとアニメ放送の中でサザエさん、ドラえもんに次いで3番目に長い期間愛されているのです。正義のヒーローというカテゴリーで見ればNO.1です。
アンパンマンが他のヒーローよりずっと人気があるのは、「弱い」というところではないかと思います。
大体のヒーロー像は心身ともに絶対的な強さを持っていて悪に立ち向かうスタイルの物が多い。
だけど、アンパンマンはばいきんまんに顔を濡らされてあっさり負けてしまう。そして、ジャムおじさんに新しい顔を作ってもらい、また戦える。
いつもジャムおじさんに助けがないと戦えない情けないヒーローです。
ただ、弱さも含めて人間的、人間臭い。そこが共感を得られるのではないでしょうか。
そして、お腹を空かせた人を見かければ自分の顔を分け与える。
自分の命を削って正義が成り立っているということもアンパンマンならではのヒーロー像だと思います。
アンパンマンが単純に誰よりも強くて、悪を叩くだけのキャラクターであったらここまで皆の心に響くヒーローになっていなかったのではないでしょうか?
やなせさんの自身が戦中、戦後激動の日本を行き抜いた経験が、不変の正義感を作りあげてきたのではないかと思います。
僕のような30代の者と、今の子供達が共通のヒーローを共有しているということがとても貴重なことに感じます。
不変の正義は、変わらず皆の心にある。
偉大なやなせたかしさん。ご冥福をお祈りいたします。
最後にやなせさん自身が作詞した、「アンパンマンのマーチ」を紹介します。
こちらも、とても哲学的で大人になって読んでみると、さらに深く感じます。
アンパンマンのマーチ
作詞:やなせたかし/作曲:三木たかし/編曲:大谷和夫/歌:ドリーミング
1.
そうだ うれしいんだ
生きるよろこび
たとえ胸の傷がいたんでも
なんのために生まれて
なにをして生きるのか
こたえられないなんて
そんなのはいやだ!
今を生きることで
熱いこころ燃える
だから君はいくんだほほえんで
そうだ うれしいんだ
生きるよろこび
たとえ 胸の傷がいたんでも
ああ アンパンマン
やさしい君は
いけ! みんなの夢まもるため
2.
なにが君のしあわせ
なにをしてよろこぶ
わからないままおわる
そんなのはいやだ!
忘れないで夢を
こぼさないで涙
だから君はとぶんだどこまでも
そうだ おそれないで
みんなのために
愛と勇気だけがともだちさ
ああ アンパンマンやさしい君は
いけ! みんなの夢まもるため
3.
時ははやくすぎる
光る星は消える
だから君はいくんだほほえんで
そうだ うれしいんだ生きるよろこび
たとえ どんな敵があいてでも
ああ アンパンマンやさしい君は
いけ! みんなの夢まもるため