良い刺激


今日はお昼御飯を「佐々木」さんでしました。







何個か写真を撮り忘れアップしていませんが、本当に素晴らしい料理ばかりです。

今日は1月ということもあって、おせち料理主体で前菜に三つ肴の黒豆や田作りや数の子が並んでいました。

黒豆は皺もなく、ほろほろになっていました。この黒豆は本当に長い時間を掛けて弱火で煮ていかないと皺が伸びず手間が掛かると聞きます。

さしみ醤油は市販品ような濃度だけ濃いものではなくて、トロっとしていて素材を邪魔しないような塩の加減に煮切っています。

佐々木さんの大将の料理を食べて、いつも魅了されのは「仕事量」です。

どれ1つとってもしっかり手が入っています。

僕は職人の端くれとして思う、職人仕事の大事なことは「どれだけ妥協せず出来るか」ということです。

例えば僕の仕事である焙煎士は焙煎を行います。焙煎された豆は焙煎した直後から劣化していきます。この劣化を考えると少量で焙煎し、こまめに焙煎機を回すのが理想です。

でもこれを行わない所が多いです。とにかく大量に焙煎して、長い期間を掛けて販売する。当たり前のように手は抜けて仕事が少なくてすみます。ただその豆は香りを失います。

ですから僕は開店当初から「鮮度が第一」で、3日で売り切ることを考えて焙煎し、焙煎して1週間以上経った豆は廃棄する。

これはずっと守ってきています。そういうこともあって豆の袋にはロースト日を判子で押してお渡ししています。また珈琲教室では古い豆の見分け方もレクチャーさせてもらっています。

職人仕事は1つ妥協すると2つ、3つと妥協しすべてが無駄になると思っています。

大将の料理はおいしさの感動だけでなく、職人の端くれの僕にとって、職人のあるべき姿を見せてもらっているようなものです。

本当に良い刺激をもらいました。

話は変わりますが、この間おせち料理の雑学を聞いて思わず「おぉ」と唸ってしまったことがあったので書きます。

乾燥したカタクチイワシを醤油やみりん、砂糖で煮詰めて作る「田作り」ですが、なぜ魚なのに田作り?と思われている方も多いのでなないでしょうか?

それは昔田畑の肥料としてイワシを使われていたため「田を作る」意味から、豊作を願って食べられたものです。勉強になりました!

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