現在日本テレビで放送されている「先輩ROCKYOU」を見ています。
ミシュラン3つ星を獲得されたお寿司屋さん「あら輝」の大将荒木さんが出演されており、とても興味深い話をされていました。
なんでも原価率6割でお寿司を提供しているという。通常飲食店の原価率は3割程度です。
僕は経営者なんてたいそれた者ではありません。でも店を運営していくうえでは、フードコストを考え食材(生豆)を仕入れ、そこにレイバーコスト、その他固定費(家賃、ガス代、電気代など)を考えどれだけ利益を残すのかを考えないとお店は運営していけません。
これは運営する者の考えで大分違いがあって、それぞれのスタイルがあります。フードコストを切り詰めれば利益は上がるわけで、反対に品質は下がる。フードコストを上げれば品質は上がるけど利益率は下がる。
もちろん販売価格のつけ方によって違いがありますが、フードコストを上げて利益率も同じに反映すれば、今度は販売価格が異常に上がりお客さんに手にとってもらえなくなります。
と、ここまで散々理屈っぽく書きましたが経営学部で勉強していればこんな馬鹿みたいな理屈は誰でも分かります。
でも僕は何よりこのあら輝の大将の考え方に賛成です。
僕はコーヒーは嗜好品だと考えておらず、日常品だと捉えています。コーヒーは成人だけに限っていえばお茶よりも消費されているのですから。
一応僕のお店の価格の付け方を公開します。あまり表にすることではありませんが僕のこだわりもあるので書かせてもらいます。
まずは僕のお店はスペシャルティコーヒー専門店です。この時点でスタンダードランクを扱う他の店とは原価が約1.5倍〜約3倍違います。品評会入賞豆ともなると5倍以上違ったりします。
それでも販売価格は1.5倍〜3倍なんて付けることはしません。お店を5年続けてきましたが「昔ながらの珈琲屋さんは半端じゃない利益率でやっていたのだな」とつくづく思いました。
だけどお客さんには安く提供したい、でもお店は運営しないといけないので僕が考えたのは「ボリュームディスカウント」でした。
これは僕のお店を利用して頂いた方なら分かりますが簡単にいえば多く買ってもらったら値引きをして薄利多売で提供するやり方です。
実は価格を付ける時に他店を徹底的にリサーチしましたが、スペシャルティ専門ですが、よく売れているブレンドで東京は100gあたり大体¥500で関西の方だととても安くなり100gあたり¥400ぐらいなのです。
店頭価格ですが、僕のお店はブレンド100g¥480に設定して、300gを買ってもらえたら関西の相場に近い100gあたり¥408で、500g買ってもらえたら全国的にも安い100gあたり¥360としました。
そして原価率の高い品評会入賞豆は利益率は低くなりますが、これは僕がもともとコーヒーが好きでお店を始め「一番おいしいコーヒーを提供する」という想いから扱っています。
僕は珈琲屋をしていてやっぱり良い食材(生豆)に会うとうずうずして無理をしてでも買い付けてしまいます。
でもそれぐらい良い珈琲との出会いは魅力的だと思っています。
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