当店のお客さんで画商さんがいます。
こちらの画商さんは東京にオフィスを構えられていて、福島の会津にギャラリーがあります。
作品は主に木版画の画家(斎藤清、畦地梅太郎)の物を扱っていて、四国には買い付けに来られていて、その際当店に立ち寄ってくださっています。
そしていつも買い付けた作品を見せて頂いています。
僕は絵を見ても単純に綺麗だ。好みだ。という見方しか持っていません。
でも画商さんはその絵を見て、偽者か本物か、はたまた、刷り師が刷った物か本人が刷った物なのかが分かるそうです。
そこで「なぜ物の良し悪しが分かるのですか?」と質問をしました。
答えは「その画家さんの絵をとにかく多く見ること」
そうすれば必ず画家の特長が見えるようになるというのです。
これはコーヒーにも同じことがいえるのです。
スタンダードコーヒーを扱っているのならば、目利きなど関係なく商社が買い付けた物をテースティングを行わず仕入れるだけでよいのですが、当店のようなスペシャルティコーヒー専門店だとそうはいきません。
ブラジルだけでも品種、産地、農園、精製方法と違えば味はまったく違います。
その中で自分の目指す品質の豆を選択する作業をしなくてはなりません。
実際に僕はブラジルだけで約70種類はテースティングしていると思います。
現在ではいろいろなデータが頭に入っていて、同じ農園の同じ品種でも、精製方法がナチュラルかパルプドナチュラルかはっきり分かるようになりました。これは難しい技術ではありません。
また、同じ農園でも品種がカツーラ種か、ブルボン種なのかも分かるようになり、まだまだ未熟ですがコーヒーの魅力はここにあるのかと思うようになりました。
画商さんのお話と同じで、多くの豆に出会ってこそ、コーヒーの目利きは出来るものだと思います。