焙煎士になるには・・・2

昨日に引き続き「焙煎士になるには」ですが、僕自信の独学による焙煎について書きます。

僕自身は自分で飲むコーヒーを手網焙煎で焙煎を行なっていき、周りの人たちからコーヒー豆を求められるようになって店を開店する決意をしました。

店を開けるまでの期間2年間ぐらい焙煎作業はしました。

そして、いざお店を開くことになって店舗改装の1ヶ月前には焙煎機の打ち合わせ(どういうタイプのものか)を終了しておき、いざ店舗が完成してから焙煎機の設置は完了しました。

設置を完了すると、業者の方が試運転で焙煎を行なうのですが、一通り最初から最後まで見て「これは一例です。正解はありませんからどんどん焙煎してみてください。」といわれました。

その当時はこの言葉の意味が良く分かりませんでした。

それから、お店をオープンする2週間前から初めて焙煎機による焙煎を行ないました。

正直言ってこれは失敗でした。期間が短すぎました。

焙煎機による焙煎と手網焙煎による焙煎はまったくもって別物でした。

師匠を持たず、誰からも教わらなかったため、火加減、釜の特徴、設定温度、焙煎時間、釜の作り方、ダンパーの使い方、何一つわかりませんでした。

そして、とにかくオープンまでの2週間みっちり朝から晩まで煎り続けました。

最初僕が行なった焙煎の特徴は「長時間焙煎」でした。

現在は煎りあげるまで16分台〜18分までですが、オープン当初は25分くらいかけてじっくり豆を煎りあげていました。

なぜこのような焙煎を行なっていたかというと「超有名店が長時間焙煎」だからという安直な理由でした。

その時の僕は何の判断基準も持たず有名店がやっている焙煎方法が正しいと思っていました。

今思えば当たり前ですがまったく条件が違うのに当てはまるわけがないのです。

焙煎機の種類が違う、僕のお店はスペシャルティ専門でそのお店はスタンダードの豆を扱っている。

しかしお店をオープンしていたのでその状態で煎った豆を売っていました。
ですがやはり味に自信がありませんでした。

そして路頭に迷ってしまいました。

それからはとにかく不安を拭い去るように全国のスペシャルティ専門のお店から豆を取り寄せてはテースティングしていきました。

何社も何社も試していると自分の好きな味をはっきりと見つけることが出来ました。

お陰さまで今ではそのお店のコーヒーを飲むとある程度ですが焙煎機の種類が分かるようになり、どう焙煎を行なっているかまで分かるようになりました。

それから自分の目指す味を出すにはどういう焙煎を行なえばよいのか再検討し、本当にゼロから始めました。

焙煎時間、火力、ダンパーの調整、釜の設定温度、温度上昇率などいろいろな観点から焙煎という作業を実験していきました。

そしてデータを取り、このパターンの時はどういう味に仕上がるというのをひたすら試しました。

この組み合わせだけでも数百通りは試していると思います。

とにかく最初の1年間は休みの日も時間があれば焙煎に時間を当てました。というのも季節が変わり温度、湿度が変わると焙煎が変わります。そのため休みをとる時間がなかったというのが本音です。

季節が変わると焙煎が変わることに気づいてからは焙煎室に温・湿度系を設置し毎日の温・湿度データも加えて焙煎を行い結果をみました。

僕の中で納得出来る焙煎が安定して出来るようになるまで2年ぐらい掛かりました。

ざっといままで長く書きましたが僕の独学による焙煎のすべてです。

まだまだ100点だとは思っていないので今も少しづつ焙煎方法を変えつつ日々を送っています。

また僕がコーヒーインストラクターの資格を取得したのも、やはり師匠を持たず独学でコーヒーに関する知識を身につけていたので、こちらも自信が持てませんでした、そして試験をパスして認められた物が欲しかったからです。

明日は最後になりますが、僕が思う師匠に入る、セミナーの受講について書きたいと思います。

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