これは焙煎機のダンパー(排気弁)という部分です。
僕の使っている焙煎機メーカーのものにはこのダンパーがあるのですが、メーカーによってはないものもあります。
実はこのダンパー操作で香味が違ってきます。
まずダンパーの役割として、焙煎機に篭る煙を排気し、焦げた香りが吸着するのを防ぐ役割、また別の役割として焙煎釜内の圧力の調整も担っています。圧力は豆の内部に均一に火を通し、うまく水分抜きをする目的を持っています。
ダンパーをどのタイミングで開け、どの程度開けるのか。この扱い方1つで火の通り方、煎り時間が違い香味のニュアンスが違うのです。
僕は焙煎をして以来「絶対この煎り方だ!」というスタイルをとっていません。
もちろん基本は抑えつつ、いつも少しづつ変えています。
現在研究しているのがこのダンパーの細かい調節です。
コクと香りとボディの出方が全然違うので奥が深くてとても面白いものです。
おそらく一般の方ではこの違いは気づかない程度だと思います。
ですが毎日焙煎してテースティングを行っていると細かいニュアンスの違いが分かって、ここにこだわりたくなるのです。
少しオタクな話になりましたが、この仕事をしていて面白いと思う1つです。