焙煎を行っている上で緊張感のあるのがどこまで煎りあげるかという事が1つあります。いわば焙煎度です。
当店ではハイ〜フレンチという焙煎度をそれぞれの豆の個性にあわせ煎りあげています。
この焙煎度で香味は違い、濃度、コク、苦味、甘味コーヒーの味を構成する成分すべてが変わるのです。
お客様から「深入りのコーヒーはどれ?」と聞かれます。
この質問はおそらく
浅煎りのコーヒー=酸味が強い、さっぱりしている
深煎りのコーヒー=酸味が少ない、コク、苦味、濃度がある
といったイメージなのでしょう。
これは間違いではありません、ですが正解でもありません。
というのもこの質問は現在も多く流通しているスタンダードコーヒーの影響が大きいのです。
自家焙煎店でのスタンダードの特徴的な煎り方は画一的なものでした。すべてがフルシティ以上の煎りで、アイスなどの濃い目に出すコーヒーは真っ黒で燻り臭しかしないイタリアンロースト(最も火を通した状態)でした。
ですが、スペシャルティコーヒーの登場によって焙煎も変わりました。
スペシャルティコーヒーは持ち味がそれぞれ違うので、同じブラジルを扱う場合でも違います。
当店では開店当初ナチュラルウィンドライという銘柄を扱っていましたが甘味が強く苦味が少ない豆で、こちらはフルシティに仕上げていました。
現在のボンジャルディン農園はカップが強く(濃度)苦味も強いのでハイで落とすようにしています。
ですから深煎りであっても当店のケニアルイスグラシアなどはフレンチローストですがきれいな酸味がありますし、濃度はあるもののさっぱりした味わいです。
スペシャルティコーヒーを専門で扱うには多くの豆の知識が必要になります。本当に日々勉強です。商社の方たちと情報交換をし、サンプルを頂き焙煎する。
今のところ300種類近くのコーヒー豆を試しました。でもまだまだ勉強不足でもっといろいろな豆を試し研究しなければなりません。
ですが新しい豆と出会うのがとても楽しく、焙煎をしていて1番ワクワクします。