皆さんはおいしいコーヒーを選ぶポイントは何ですか?
しっかりと選ぶポイントはありますか?
僕がまだプロになる前、いろいろなお店で豆を買っていました。
そこで僕が豆を選ぶポイントとして見ていたのは「欠点豆が取り除かれているか」、「豆によって焙煎度が適したものであるか」、「鮮度があるか」など何点かありました。
これはそのお店の姿勢、焙煎士の技術などを見るものです。確かにこのポイントは重要です。今も他店の豆を購入して勉強する際に見たりします。
ですが現在焙煎士として、コーヒー豆の研究をしてきて「おいしいコーヒー豆を選ぶポイントは?」と聞かれたら、「まず1番大事なのは”素材”です」と答えます。
これはブログで何度か書いているのですが、最重要ポイントです。
僕たち日本人には素晴らしい食文化がありますよね。
それは食べているお米をしっかり選んでいるということです。
例えば「おいしいお米を教えて下さい」と聞くと「新潟県魚沼産、コシヒカリ、天日干し」といくつかお米の産地、品種、深くいくと栽培方法、精製方法などの情報を答えられるのではないでしょうか?
お米が農産物である限り、やはりどこで育てられ、品種による特徴、栽培、精製方法は味を形成していくうえでもっとも重要です。
コーヒー豆も農作物です。やはり同じブラジルでもどこの産地(地域)、品種、精製方法が香味を作るのです。
ですが、今もなおコーヒーの業界はブラジルの豆なら「ブラジル」という銘柄の豆が多く流通しています。
これはどういう事かというとお米なら「日本産」というだけのお米なのです。
いわばおいしさを選ぶ基準のない豆しかなかったのです。
ですが2000年以降、高品質のコーヒー豆を求める流れが出来てきて、それに伴い産地、品種、精製方法などの品質の基準を設け香味による評価をするようになりました。
それら産地、品種、精製方法などがしっかり分かるコーヒー豆を「スペシャルティコーヒー」といいます。
ですがまだ流通しているコーヒー全体の5%程度の量しか流通していません。何よりもスペシャルティコーヒーはこだわって作られているためコストが2倍〜4倍も高くなるため使用するところが少ないのが現状です。
僕はこのスペシャルティコーヒーに出会い、衝撃を受け、コーヒー屋さんをしようと思ったのです。
ですから当店の豆はスペシャルティコーヒーだけを使用した、スペシャルティコーヒー専門店なのです。
ちなみにお客さんがスペシャルティコーヒーを飲んでみたいと思ったならお店の人に「スペシャルティコーヒーですか?」と聞いてみてください。
まだ近年変わり始めたばかりなので同業者でも知識が乏しい方が多いのが現状ですが、1度聞いてみてください。