コーヒーの味を決めるうえで「豆の品質」「焙煎」「抽出」があるのですが、その中で僕の最も個性が出せる「焙煎」を手助けしてくれる道具がこの焙煎機です。
焙煎機にはいろいろな種類があり大きく3タイプに分かれ直火式、半熱風式、熱風式があります。
最後の熱風式は主に大手ロースターが使用するもので1度に何十キロkg〜何百kgという豆を約5分という短い時間で焼き上げるという大量生産が可能な焙煎機です。
他の2タイプの焙煎機が主に僕たちのような自家焙煎のお店で使われている焙煎機です。
当店が使用しているのは直火式のものですが、焙煎機を選ぶのはとても難しいものです。試すことも出来ませんし、かといって気に入らないから買い換えるというわけにもいきません。
また専門の本などを読むと何の根拠もなく「半熱風にしなさい」など書いてあることがあります。しかし有名な人が書いていたから信じるというのはしてはいけません。
これは本を書いた人の否定をするわけではありません。
プロである以上自分の中に判断基準がないとまともな味は造っていけないのです。
そこで僕が焙煎機を選ぶうえで何をしたのかといえば、とにかく他店の豆を買いまくるということです。
そこで他店の焙煎機のタイプを聞いておいて、豆を味わっておいしいと思うものをチェックするという方法です。
そうするとどんどんデータを作っていくうちに自分の目指す味の方向性が決まり、焙煎機も自ずと決まってくるのです。
そして僕は香味が強く出せる直火式の焙煎機を選びました。